東京ドームで25日に開かれた歌手で俳優の福山雅治(47)のライブで、女性スタッフ(42)が眼球破裂の重傷を負ったことが衝撃を呼んでいる。演出で発射されたテープが女性の右目を直撃する事故が起きていたことが26日、明らかに。テープを発射した装置「キャノン砲」、さらには眼球破裂とは、どのようなけがなのか――。

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事故が起こったのは福山の公式ファンクラブ25周年を記念したライブ。26日も行われ、福山のフェイスブックにはファンから、テープ発射がなかったことへの違和感とともに「仕方ないですね、事故があったから」との感想も書き込まれた。この日はテープの演出はなかったとみられる。

福山の所属事務所は、ホームページに掲載した報告文で「終演間際、特殊効果の演出中に演出機材がライブ制作スタッフの顔面右側及び右目をかすめる事故が起き、スタッフが怪我を負いました。スタッフは事故直後すぐに病院へ行き、現在治療にあたっております」と説明。「より一層の安全管理を行っていく所存でございます。この度は、ご心配をおかけしまして誠に申し訳ございませんでした」と続けた。

所轄の警視庁富坂署によると、テープは空気圧を利用して飛ばす「キャノン砲」と呼ばれる装置から、午後9時すぎに発射された。テープは巻かれて筒状になっているが、伸ばすと16メートルになる。幅は2・3センチ。女性スタッフはテープを装置に詰めたり、他のスタッフからの発射連絡を受けて、周囲に注意を呼び掛けたりする担当だった。

富坂署は業務上過失傷害の疑いもあるとみて、演出を担当していたライブ関係者らから事情を聴いている。

キャノン砲はコンサートなどのイベントでテープや紙吹雪を発射する際に使われる。バズーカ砲のようなものから拳銃タイプなどの形状があり、炭酸ガスの圧力で飛ばすタイプも。ネット上ではテープの飛距離十数メートルをうたう商品も見られる。

特にコンサートではキャノン砲を利用した「飛ばし」が、音響と相まって演出効果を高めるとされ、重宝されるグッズのようだ。一方で人間を直撃すれば、重傷につながる“凶器”にもなりかねない。

福山のフェイスブックには「スタッフの無事を祈ります」と女性を気遣うファンのコメントも多く寄せられた。ネット上の医療サイトによると、眼球破裂は交通事故や野球のボール直撃などによって起こり、「眼科で扱う外傷では一番重篤な症状だとされる」といい、緊急手術の対象になる。

眼球を取り囲んで内部機能を保護する強膜や角膜が、外部からの強い衝撃を受けて裂傷を負うのが眼球破裂。痛みは感じない場合もあるといわれるが、視力の急激な低下が生じる。失明にもつながりうる危険性があり、視力の回復は眼球の損傷具合や応急処置による。

最近では、米プロ野球のマイナーリーグでプレーするマット・イムホフ投手(22)が今年6月、トレーニングで使用していたゴムチューブが壁から外れ、チューブの取り付け金具が眼球などを直撃するアクシデントに遭った。2014年にメジャーのフィリーズからドラフト2巡目指名を受けた有望選手は、この事故で眼球破裂により右目摘出を余儀なくされたと報じられた。

危険はどこにひそんでいるか分からない。キャノン砲はパーティーでも使われるというから、細心の注意が必要だ。