日本ボクシングコミッション(JBC)は25日、UNITED(ユナイテッド)ジムから出されていた元世界3階級王者亀田興毅(27)のライセンス更新申請を却下した。亀田と同ジム三好渥義会長からのヒアリングを受けて同日、都内で2度目の資格審査委員会を開催。三好会長が亀田を「コントロールできない」と結論付けた。今回の決定で、亀田は同ジムに所属して試合をすることが不可能となり、事実上、移籍が却下されたことになる。

 亀田が試合をするために取った窮余の策は、JBCによって拒絶された。秋山弘志理事長(75)は、亀田のライセンス更新を認めない理由として「UNITEDジムの最高責任者である、三好会長が亀田興毅選手とスムーズな連携を取り、明確な責任の所在を明確にさせることが出来うるかどうか」という疑義に対し、資格審査委員会が「非常に憂慮、懸念している旨の結論を出した」と説明した。

 健康状態の思わしくない78歳の三好会長が、あまりジムに来ていないという実態も踏まえ、UNITEDジムが数々の問題を起こしてきた亀田をコントロールできないと結論付けた。また、22日のヒアリングも含めて亀田本人から、今回の騒動について謝罪がなかったという心証面も考慮。「すべて、いろんなものを含めて総合的に判断した」と、秋山理事長は、委員会での満場一致の結論の背景を説明した。

 委員会の結論を受け、JBCは、JBCルール11条3項「ライセンスの選手への更新は特別の事情がない限り許可される」の「特別の事情」に当たると判断し、更新を認めなかった。これによってUNITEDジムで亀田が試合を行うことはできなくなり、同ジムへの移籍も意味がなくなった。今後、亀田が試合をするためには、他のジムへ移籍し、そのジムからライセンス更新の申請を行うことが必要となる。秋山理事長は「もし他のジムから申請してきたら、また資格審査委員会で審査します」と答えた。

 JBCから電話で結論を伝えられたUNITEDジムの加藤マネジャーは「JBCが判断したこと。詳しくは分からない。11条3項に当たるとしか言われていない。(JBCに)話を聞かないと詳しく話せない。明後日(27日)にJBCと会う」と話した。亀田は関係者を通じて「自分は移籍は認められると思っていた。以前に秋山理事長から『ボクサーに罪はない。JBCはボクサーを守るところだ』と直接言われていた。それを信じて、認められると思っていた。こういう結果になって残念。今は言葉もない」とコメントを出した。JBCの今回の決定によって、亀田の移籍問題は振り出しに戻った。

 

 ▼UNITEDボクシングジム 東京・江戸川区にあり、三好渥義氏が会長を務める。同会長は、01~03年の日本スーパーバンタム級王者・渡辺純一らが所属した楠三好ジムの元会長。UNITEDジムは、フィリピン人を中心に海外選手が多く在籍しているのが特徴。日本ランカーはいない。10年に行われた亀田ジムの世界戦では、同会長がプロモーターを務め、同ジムでスパーリングを行うなど亀田ジムと親交が深かった。


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